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あなた自身と配偶者を合わせた「世帯手取り収入」を検証!

税金を払うのは「損」? 働き方で手取り収入はこう変わる

平成19年から、国民年金保険料、住民税率、所得税率など、さまざまな改正が実施されたことをご存じだろうか。働き方のパターンごとに世帯収入にどんな違いが出るのか、シミュレーションしなおした。自分らしくお得に働くにはどうしたらいいのか、改めて確認してみてほしい。

Text=萩原まみ
2007.06.07. Update

年収0〜161万円の4人をシミュレーション

●4人に共通した条件
配偶者(わかりやすくするため「夫」とします)は手取り年収500万円の会社員。40歳以下で、介護保険には未加入。ほかに扶養の必要な親族や子どもはいない、2人世帯。

週20時間以上、1年を超えて働く見込みがあれば、失業時の生活を保護するための雇用保険に加入する権利が生じます。その場合、収入の0.8%を負担することになり、具体的な支払い額(年額)は、B子さん=8,000円、C子さん=9,680円、D子さん=12,880円となります。
パートタイマーであっても「1日または1週間の労働時間および1カ月の労働日数が正社員のおおむね4分の3以上」という条件を満たせば、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する権利が生じますが、ここでは国民健康保険・国民年金で統一しています。
国民健康保険の保険料率は地方自治体によって異なるため、一例として東京都練馬区の保険料で計算しました。
住民税は前年の収入に対して、翌年課税されます。前年度から収入が変わらなかったと仮定して、計算しています。
配偶者控除は、控除を受ける本人(ここでは「夫」)の所得が1,000万円(給与収入金額で約1,231万円)以下であることが条件です。
平成19年5月現在の情報をもとに作成しました。
平成19年1月から所得税は、330万円以下10%、195万円以下5%と改正されました。また、平成19年6月から、住民税が所得にかかわらず一律10%に変更されました。
平成19年4月から、国民年金保険料は月14,100円に引き上げられました。国民年金保険料は、平成29年度まで毎年度月額280円(物価指数等により変動あり)ずつ引き上げられ、最終的に月額16,900円となる予定です。
今後も制度改正の可能性がありますのでご注意ください。
わかりやすくするために、一部省略、表現を簡略化している箇所があります。


■ケース1:A子さんの場合 年収0
専業主婦
本人の所得税、住民税
本人の年金保険料、健康保険料
(夫の扶養になるため、国民年金0円、国民健康保険0円)
夫の収入についての配偶者控除
(所得税の控除38万円、住民税の控除33万円)
年収0円
計0円
計0円

計71万円

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     ▼
世帯全体の手取り収入
(夫の手取り収入そのまま)
500万円


A子さん「出産を控えているので、仕事は辞めて、家事に専念。子どもが大きくなるまでは専業主婦でいるつもりです。税金や保険料がまったくかからないのはいいのですが、夫の収入だけに頼っているので将来に不安があります。夫と別れることになったり、夫がリストラされたりする可能性も皆無ではないんですよね」



■ケース2:B子さんの場合 年収100万円
時給1000円のアルバイトとして、週に3日、1日7時間働く
本人の所得税、住民税
本人の年金保険料、健康保険料
(夫の扶養になるため、国民年金0円、国民健康保険0円)
夫の収入についての配偶者控除
(所得税の控除38万円、住民税の控除33万円)
年収100万円
計0円
計0円

計71万円

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     ▼
世帯全体の手取り収入
(B子さんの収入全額と夫の手取りの合計)
600万円


B子さん「私の年収が103万円を超えると所得税や住民税を払わなければいけなくなるので、毎年、100万円以内に納まるよう、仕事をセーブしています。家事と仕事を両立するにはいいペースなんですが、仕事量を調整するのが面倒ですし、専門性の低い仕事しか任せてもらえないので、長く続けることができるのかどうか心配です」



■ケース3:C子さんの場合 年収121万円
時給1000円のアルバイトとして、週に4日、1日6時間働く
本人の所得税、住民税
(所得税9,000円、住民税24,500円)
本人の年金保険料、健康保険料
(夫の扶養になるため、国民年金0円、国民健康保険0円)
夫の収入についての配偶者控除
(所得税の特別控除21万円、住民税の特別控除21万円)
年収121万円
計33,500円

計0円

計42万円

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     ▼
世帯全体の手取り収入
(C子さんの手取りと夫の手取りの合計)
613万500円


C子さん「仕事がおもしろくなってきたので、出勤日を増やして、週4日、働いています。所得税と住民税は払わなければならなくなりましたが、まだ年収130万円以下なので、健康保険は夫の扶養に入っています。今はパートタイマーなので、1日6時間程度の勤務ですが、仕事内容は社員の人とあまり変わりません。若いうちのほうが社員登用のチャンスが多いと聞いたので、早いうちに社員になりたいと思っています」

■ケース4:D子さんの場合 年収161万円
正社員としてフルタイムで働く
本人の所得税、住民税
(所得税16,650円、住民税39,800円)
本人の年金保険料、健康保険料
(国民年金169,200円、国民健康保険72,500円)
夫の収入についての配偶者控除
年収161万円
計56,450円

計241,700円

計0円
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世帯全体の手取り収入
(D子さんの手取りと夫の手取りの合計)
620万2,850円


D子さん「正社員になったら、保険料が思ったより高くてびっくりしました。でも、保険料や年金を払った分は控除されるので、税金は思ったほど高くないんですね。自分名義の年金や健康保険があるほうが将来的に安心ですし、経済的に自立することで自信もつきました。稼いだ分だけ世帯収入も増えて、家計が楽になるので、これからはどんどん仕事をしていこうと思っています」


金額だけで比べられないもの

 平成19年5月現在の情報にもとづき、いくつかのケースを紹介してみた。世帯の収入だけを単純に比較してみると、年に100万円までしか働いていないB子さん宅も、年収130万円以内で夫の扶養に入っているC子さん宅も、フルタイムで働く正社員のD子さん宅も、あまり手取りに大差はない。となれば、「自分で税金や保険料を払うのは損」と感じる人もいることだろう。
 しかし、ここでは「夫の手取り収入500万円、子どもなし」という同一条件で統一しているが、現実には「夫の収入は300万円未満」とか、「学費のかかる子どもが3人いる」とか、「介護の必要な両親と同居している」とか、置かれている状況は人それぞれ。将来、夫の収入や世帯を取り巻く状況が変化することも考えられる。子育てや介護で働きに出られない事情の人もいるだろうが、もしも自分で収入を得る手段が目の前にあるのなら、節税や控除のために仕事量を減らすのは果たしてほんとうに「お得」なのだろうか。
 また、労働人口の減少や高齢化社会などの問題によって、今後、税率や控除枠などが変化していく可能性もある。目先の損得にまどわされることなく、あくまでも自分がどのように生きていくかを考えるための一助としてほしい。
 次のページでは、年収ごとに税金や控除がどのように変わるのか、より詳しく紹介しよう。

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