いくら学歴がすばらしくても、資格をたくさん持っていても、
そうした書類上の情報はいったんリセットして面接します。
とあるベンチャー企業で、人事の採用を担当して5年半。これまでに新卒、中途採用を含め、のべ8000人の求職者と面接してきました。
うちの場合、まず書類選考で半分程度に落とし、何度かの面接を経て、最終的に採用となるのは、100人に1人。面接をした人だけ考えても、50人に1人の狭き門となります。
書類選考では、そもそも応募条件に合致していない人や、あまりにも短い期間で職を転々としていたり、やたらとブランクが空いている人などを落とします。応募条件というのは、たとえば「4年制大学卒業以上」としているのに、高卒であったり、大学を中退しているなど。その意味で学歴はチェックしますが、学校名はそれほど気にしません。
うちは「人物重視」ですので、できるだけ実際に会ってから判断したい。ですので、書類選考を通った時点で、どの人も同じ、まっさらの状態で面接するようにしています。つまり、いくら学歴がすばらしくても、資格をたくさん持っていても、そうした書類上の情報はいったんリセットしてから、会うようにしているということです。
ネガティブな発言をする人は敬遠しています。
たとえば、前の職場の悪口を言う人。
面接の時点で、どのような人を不採用としているかということですが、まずネガティブな発言をする人は敬遠しています。
たとえば、転職の理由などをたずねたときに、前の職場の悪口を言う人。「仕事内容がつまらない」「上司と合わない」「能力を評価してくれない」……。あからさまに悪口を言う人はもちろんNGですが、本人、悪口として言っているつもりはなくても、よく聞いていくと、「それって、つまりいまの職場に不満があるということでしょ?」というような理由をあげてくる人は、やはり採用には至りません。
もちろん、なかには本当に会社そのものに問題があったり、本人の努力ではどうにもならないところで不当な扱いをされていたり、第三者から見ても「それは転職したほうがいいと思う!」というケースも稀にありますが……。
それでも、それを打開できる方法はなかったのか、あらゆる方面からほじくって聞いていくと、自分の置かれた状況を前向きにとらえ、あらゆる努力をしたうえで出した結論ではないな、と感じてしまうケースのほうが圧倒的に多い。
次に、会社に何をしてもらえるのか、ということを気にする人も敬遠します。
とくにうちはベンチャーなので、会社としての制度がすべて完璧に整っているわけではありません。会社という枠のなかで守られながら、与えられた仕事をしていけばよい、という会社ではないのです。それもあって、たとえば「教育制度はどうなっていますか」とか「福利厚生は」「交通費の支給は」とか、本来の仕事以外の部分を気にする人は、「うちの会社には向かないな」と思ってしまいます。
見た目の印象はかなり大切ですね。別に美男美女である必要はないし、
高価なものを身につけている必要もないのですが。
あと、見た目の印象はかなり大切ですね。別に美男美女である必要はないし、高価なものを身につけている必要もないのですが、社会人としてある程度、こざっぱりこぎれいにしている人でないと……。たとえば、身だしなみの部分で、髪の毛がボサボサだったり、靴やシャツの袖口が汚れていたり、爪が汚かったりなどはマイナスですね。
面接に来ているのに、この程度しか気を使えないのなら、普段はもっとひどいんだろうなあ、と思わせてしまうと、もうその人の内面がいかにすばらしくても採用する気にはなれません。
表情やしゃべり方なども大切な要素のひとつです。目を見て話せない人、元気のないしゃべり方――たとえば声の小さい人などはNG。といっても、単に大きな声を出せばよいというのではありません。しっかりと自分の意志を持っていないと、元気のあるしゃべり方はできないものです。
Profile
高石奈々子さん(仮名)
出版社勤務など数社を経て、某広告会社に転職。人事部に配属され、5年半、採用などを担当してきた。