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キャリア査定 いま転職したら、年収はいくらに?
第13回
カーボンナノチューブの技術には自信あり。現在、専門から外れた分野で働いていることに不満を感じています
石井孝一さん(仮名)35歳 化学系研究所非常勤職員 プロフィールを見る
コンサルタントは、こう査定しました!
平野郁夫さんの査定「ナノカーボン」の分野で10年間働いてきた経歴は魅力
平野郁夫さん
大手電機メーカー勤務を経て現職。10年にわたり人材コンサルタントとして従事。エンジニア、事務職を問わず若手人材からエグゼクティブまで幅広く対応。延べ3500人のコンサルティングに携わり、600人余の転職成功者を生み出した。現在、同社取締役。
予測年収500〜550万円   ↑Up

査定額の理由
 博士号をお持ちなのに、現在の年収は300万円台ということですね。正直なところ安いと思います。一概には申し上げられませんが、契約社員として勤務を継続されてきたことが裏目に出ているような気がします。
 ナノカーボンは注目されている素材であり、この分野で大学院時代も含め10年間経験を積まれた石井さんのキャリアは、非常に魅力的です。また、合成から反応までひととおり経験されているのも高く評価できます。
 カーボンナノチューブの大量生産方法としては、アーク放電、レーザー蒸発、化学的気相成長等が有名です。約4年間これらの製造方法に深く携わっていたとすれば、当然プラス評価できます。また、カーボンナノチューブを用いた小型燃料電池はすでに大手電機メーカーが開発中ですが、今後も注目される分野です。ただし、ご経歴から見ると、小型燃料電池の開発に携わっていたのは1年余りのようで、やや短い気がします。もし2〜3年従事されていれば、さらに大きなプラス要因になったでしょうね。
 現在携わっている酸化物発光体の性能解析は、カーボンナノチューブと関係があるお仕事でしょうか。もし、IBMが発表した「ナノチューブを利用した発光素子」のように、何らかの関連があれば、これもプラス査定の材料になるでしょう。
 一方、リーダーとしての経験が少ないようなのはマイナスです。もし、大学院修了当初から正社員として働いていたと仮定すれば、現在は主任、係長などの立場で仕事をされていたはず。その場合、少なくとも550万円から600万円以上の収入が得られるだろうと思われます。しかし、職務経歴を読むかぎり、リーダーとして活躍された経験は少ないように見受けられます。よって、多少の減額を覚悟しなければなりません。また、これまでずっと契約社員として働いてきたことも、多少マイナス要因になりますね。決して契約社員が悪いわけではありませんが、契約社員としてのみ働いていると会社への帰属意識が薄いと捉えられてしまうこともあるのです。

プラス査定のポイント
 (1) 注目されている「ナノカーボン」分野で、10年間もの経験を持っている
 (2) 合成から反応までひととおり経験している


マイナス査定のポイント
 (1) リーダーとして働いた経験に乏しい
 (2) これまで、ずっと契約社員として働いてきたこと

おすすめ転職プラン
転職先企業は:ベンチャー企業、中堅のメーカーまたは大手からの業務委託を受けている企業

職種・ポジションは:特にこだわらないほうが良い
 やはり、カーボンナノチューブ関連の仕事に就くことが、石井さんの価値を最大限に引き出すでしょう。ただし、転職先企業にもよりますが、最初からマネジメントのポジションは難しいのではないでしょうか。ポジションに関してはこだわらず、まず仕事内容を優先して下さい。そして、少しずつ上のポジションを目指すのが良いと思います。
 カーボンナノチューブを直接研究、開発しているのは、大半が大手企業か研究機関(大学、政府関連の研究所)などです。石井さんの過去の経歴からすると、いきなり大手企業に正社員として入社するのは難しいと思われます。しかし、それらの企業などから業務委託を受けて開発を行っているような企業やベンチャー企業であれば、転職の可能性は十分にあるでしょう。
 ただし、将来性、重要性は認識されているものの、カーボンナノチューブに関する求人はまだまだ少ないのが現実です。そこで、研究に特化するのではなく、開発、サポートなどまで幅を広げて転職先を探すことをお勧めします。

転職時期は:良い案件があれば、すぐに
 現在の仕事が、カーボンナノチューブの延長線上にあるお仕事であれば、焦る必要はありません。しかし、まったく異なる分野であれば急いで転職するほうが良いでしょう。時間の経過とともに、せっかく身につけたカーボンナノチューブに関する知識、経験が陳腐化してしまう恐れがあるからです。

キャリアプランへのアドバイス
 大学院修了後、ずっと契約社員として働いてきた石井さん。これまでに、どの程度のマネジメントを経験しているのでしょうか。
 35歳という年齢から考えると、今後正社員として勤務する場合、エンジニアとしての技能だけでなく、マネジメント能力も求められます。部下の指導、管理だけではなく、対外折衝、コスト管理、プロジェクト管理等を含めた「広義のマネジメント」に貪欲にチャレンジし、スキルを高めてください。
 また英語に関しては、専門書を読まれたり、外国人と喧嘩ができるレベルだそうですので、とくに問題ないでしょう。実務レベルでより上を目指していただければ結構です。
 転職はなかなか難しいものです。ご年齢からすると後戻りはできません。ある意味で、石井さんは人生の岐路に立っていらっしゃるわけです。ご自身だけで悩まずに、我々人材コンサルタントを上手く利用し、キャリアアップを図られることをお勧めいたします。
 
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協力:人材バンクネット


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