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定年してからしばらくの間、横田さんは失業保険で暮らしていた。そんなときたまたま回ってきたのが町内会役員の仕事だった。
「定年後をどう過ごすか」という問題は誰にとっても大きな問題だが、その一つの答えとして「社会参加」がある。もちろん、仕事を続けていくことも立派な社会参加だが、ボランティアや地域活動を行うのも一つの方法だ。
「正直なところ、最初は町内会の役員なんてめんどうだなと思ったんです。でも、頼まれた以上はおろそかにできない性分なんで」と苦笑いする横田さん。たしかに、休日返上で地下鉄の乗り方を勉強する横田さんなら、無給の仕事でも精一杯やるに違いない。


「うちの町内会には60人ほどの役員がいて、毎月全員が集まるんです。そのとき町内で起きた交通事故や火災、事件などの報告が行われ、その後で地域の人たちに回覧を回します。たとえば『どこどこの通りでひったくりが出た』という報告があったら、注意を呼びかけるとかですね。そういう作業を通して、地域の安全といったようなことを考えるようになったのはたしかです。他にも、お祭りや運動会などいろんな仕事をやりました」
また、2年間の任期中でいちばん大変だったというのが、去年の国勢調査だ。横田さんの担当は全部で70軒。その1軒1軒を回り、記入した用紙をもらい集めた。最終的にすべての家から用紙を受け取ったというのが、なんとも横田さんらしい。
「町内会の仕事をやってよかったと思うのは、あちこちに友達ができたことです。会社一筋だった頃は町の人とすれ違っても素通りしてたのに、今では『どう?元気?』なんて声をかけるようになりました」
職場では責任ある仕事をこなし、プライベートでは地域の人々とふれあう――横田さんの定年後の暮らしは公私ともに充実しているようだ。
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次回は2月14日から掲載します。 |
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