「翻訳ビジネスはゼロから出発したので、最初の1年は辛かったですね。未経験でまったくの手探り状態だったわけですから……。でも、大変だった分、非常にやりがいがありました」といって岡野さんは満足そうに笑う。 新商品開発、コストダウン、ニュービジネスが得意という岡野さんは、難しいとされるコスト削減をやってのける”秘訣”を、どこで体得したのだろう? 「自動車メーカーに長く勤めている間に自然と身についたんですよ。車というのは性能がよくても、値段が高いと買ってもらえませんから、責任ある立場の者は、新商品開発とともに常にコストダウンを考えています。そのためにGMのノウハウを学んだり、いろいろ勉強もしました。Q(品質)、C(原価)、D(納期)のバランスを取りながら、あらゆる無駄を削ぎ落として目標をクリアするのが商品開発の醍醐味なんです」 言葉のはしばしに、開発という仕事にこだわり続けた人の自信が見え隠れする。 休日も家にじっとしていることがないという岡野さんは実に多趣味。ゴルフ、水泳、釣り、麻雀、読書のほか、篆刻などもたしなむ。 「今一番の夢はパラグライダー・フライトです。前にドイツのノイシュバンスタイン城に行ったとき、白い雪山を背景に赤や黄色の点がはるか彼方に飛んでいるのが見えたんですが、その優雅な光景が本当に素晴らしくてね。いつか自分もあのように飛んでみたいんです」 岡野さんが仕事でもプライベートでも積極的な姿勢を保っていられるのは、こんなロマンティストだからかもしれない。
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